香ばしパウダーの始まり

私は日本で10年以上暮らしている韓国人です。生まれも育ちも韓国ですが、日本に来てから韓国に帰るのは1年に1回程度でした。毎年、自分の故郷に帰ると1年でも街の風景は大きく変わってしまいますが、その中でずっと変わらない場所があります。ローカルな市場の入り口に入ると雑穀の香ばしい香りに導かれて辿り着く場所が「禅食屋」です。禅食とは韓国では昔から飲み続けてきた焙煎雑穀粉末で、主にお水、お湯、牛乳等に混ぜて飲む粉末ドリンクです。


小さい頃からずっと変わらない禅食屋の風景は、変化の多い世の中でとても貴重な風景かもしれません。一杯の禅食を楽しむ時間が私にとって心も体もホッとする時間になります。そして、暑い夏は氷水に黒糖と禅食をかき混ぜて家族皆でくごく飲んだ記憶、入れ歯になって食事を楽しめなくなった祖母に禅食をプレゼントした記憶等、この一杯には韓国で家族と過ごした大切な思い出が詰まっています。


禅食をモチーフに「香ばしパウダー」を作るまで実はたくさんの時間がかかりました。私が好きな禅食屋の店主から教えて頂いた秘伝の配合ベース、漢方薬剤師の方、そして日本で長く雑穀の焙煎をしてきた加工業者の方々のご協力、日本で長く愛されてきた在来種の原料を使用し、想いを形にしたのが「香ばしパウダー」です。これからもブログを通じて一つ一つ物語を話していこうと思います。

※香ばしパウダーのメイン原料は在来種の「丹波黒豆」を使用しております。

「香ばしパウダー」を楽しむ時間が皆さんにとって心も体もホッとする時間、大切な人を想うモノになると嬉しいです。

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